今までの打順の決め方は間違いだった?【最適解は超シンプル】

今までの打順の決め方は間違いだった?【最適解は超シンプル】

打順の決め方って誰に教えられたわけでもないのに、ほとんどの人が同じような考え方になってますよね?

・1番はとにかく出塁率の高い選手
・2番はバントなどが上手い小技の利く選手
・3番はミートポイントが広く、4番ほどじゃないが強打者
・4番は逆に3番ほど打率は高くないが、チームで一番の長距離バッター
・5番以降は打てる順に並べていく

もはや野球の伝統と言ってもいいのでは、というぐらいの固定概念です。

 

ところでこの打順の組み方は本当に合ってるのか?

という素朴な疑問があったのでちょっと調べてみました。

 

先に結論を言ってしまうと、「そこまで間違ってはいない」という感じの結果だったので、今回の記事では古くから伝わるこの打席の順番がなぜ良いのか?について、

また、更に点が取れるであろう打順の組み合わせがあるということも判明したので統計学的な根拠にもとづいてご紹介したいと思います!

 

 

最適の打順

SI値,総 合 値 の 高 い順 の打 順 は,打 順 の通 則 に基 づ い た打 順 に対 して,同等 も し くは上 回 って い る と全 チ ー ムに対 して 統 計的 に言 え るの で,こ の2つ の 指標 に基 づ いた 打順 を採 用 す る と,年 間 獲 得 得 点 が 打順 の通 則 に比 べ て多くな る可能性 が あ る と考 え る。

引用元:最 適 打 順 につ い て の 一 考 察

この論文によると、打率・長打・出塁・打点・走力などなどの総合値が高い順に並べると、今までの通例の打順観と比べて少し強くなるというようなことが書いてあります。

 

つまり最強により近い打順は非常にシンプルで、「バッティングが上手い順」です。

 

ただし、冒頭で述べたように今までの価値観と比べると「同等もしくは上回っている」程度で、そこまで大きな違いではないので「従来の打順でも間違いではない」ということにさせてもらいました。

 

他にも打順に関する統計学的な論文をいろいろ見てみましたが、おおむね同じようなことが書かれていましたね。

 

最適の打順最悪の打順の勝率の差がわずか3%ほどしかないと書いてある論文もありましたので、打順の重要性がそもそもそんなに大きな要素ではないんじゃないかと思います。

 

 

少年野球での打順の考え方

「打順の重要性がそもそもそんなに大きな要素ではないんじゃないかと思います。」

 

とは言いましたが、少年野球・学童野球では話が変わってきます。

 

小学生のうちは試合のラウンドが7イニングまでしかありませんので、その分9イニングの場合と比べて打順の若い人が打席に立てる確率も高くなります。(コールドゲームで5イニングになることもよくありますね)

 

つまり先ほど言った「バッティングが上手い順」の法則がより強く出てくることになるでしょう。

 

プロでも打順が一つ上がるごとに年間10打席ほど増えるらしいので、上手い順から並べていくのは合理的と言えます。

 

 

打順の決め方

以上を踏まえた上で実際にどうやって打順を決めていくのかについてですが、これは非常にシンプルです。

プロ野球や、よっぽどの強豪校でもない限りはチーム内のバッティングの上手い選手と下手な選手でかなりの差が付いてることが多いですよね?

 

なので得点圏打率だとか長打率だとか難しく考える必要はなく、「バッティングが上手い順」でokです。

 

草野球、中学、高校野球レベルまでは上手い人は打率も長打率も全部高いし、下手な人は全部低いので「バッティングが上手い順」で並べると、論文にあった「総合力の高い順」に自然となるはずです。

 

もしも打率が同じくらいの選手が複数人いた場合は、長打率の高い選手を後ろに回すと良いでしょう。

 

 

送りバントを使うチームの場合

ただし送りバントを使うチームの場合は話が変わってきます。

 

未だに「2番打者=送りバント」と考えている監督も少なくないので、さっきの理論で並べちゃってた場合はチームで2番目にバッティングが上手い選手にバントをさせることになるので少し変える必要があります。

 

というか、送りバントの統計学的にも「バントせずにヒッティングしたほうが点が入る確率が高い」らしいので、そもそも送りバントさせること自体考え直す必要があると思いますが…

 

それはそれとして、2番で送りバントをさせる場合はチームで3~5番目くらいにバッティングが上手い選手の中で、一番バントが上手い人を2番に配置するのがいいんじゃないかと思います。

 

理由はあまりに下位打線の選手をあててしまうとバントをするシチュエーションじゃない時にせっかくの上位打線の勢いがそこで切れてしまうからですね。

 

あとは先ほどと同じように上手い順で並べると良いと思います。

 

 

まとめ

以上、打順についてでした。

 

まとめると

・今まで通りでもほぼ問題ないが、「バッティングが上手い順」にすると更に強くなる可能性がある。
・2番バッターに送りバントをさせたい場合は上記のように対応する必要がある

という感じです。

 

「でもプロ野球を見てると今まで通りやってるじゃないか!」「本当にそれで勝率が上がるならプロがやらないはずない」という声もあるかと思います。

 

これは個人的な解釈ですが、この記事で何度も言うように「同等もしくは上回っている」程度の効果しかないのでやらないというのが一つ。

もう一つは、プロ野球は客商売ですので「最強のバッターが1番だとファンが納得しない」のも大きな理由なんじゃないかと思います。

 

やっぱりいちばん優秀なバッターには4番でいて貰いたいですからね。

 

ちなみにこれと似たようなことが学童野球などでもあると思います。

親御さんも野球経験が無い方がほとんどですが打順に対する固定概念はなぜか知っているので、ずっと4番を打ってきた子が急に3番や1番になったら降格されたと思って「なんでうちの子が!?」と反発してしまうかもしれないのでしっかりと理由を説明するか、別に今までのセオリー通りにしておくという選択肢もあると思います!

 

 

打順バトル」←のフリーゲームで簡単なシミュレーションが出来るので暇な方はやってみてください!

単純なゲームですがもしかしたら何かの参考になるかもしれません。

この記事に書いた理論でプレイしてみたら、効果があったのか無かったのか分かりませんが29連勝出来ました。