ラダートレーニングは古典的なトレーニングですが、今でも多くの野球人たちがメニューに取り入れています。
なぜラダーをするのか?ちゃんと理解してやれば更なる効果が期待できますので、
・ラダーをする理由
・実際のトレーニングメニュー
の大きく2つに分けてご紹介していこうと思います。
※メニューだけ知りたい方は↓のもくじから飛ばして下さい。
ラダートレーニングは効果がないのか?
まずはラダートレーニングは何のためにやるのか?というのを知っておいて欲しいと思います。
一般的なイメージだと単純に足が速くなるとか、瞬発力が強くなる。といった感じでしょうか?
それは当たらずとも遠からずといった感じです。
当然ですが素早く走る、瞬間的な力を出すといった動作をするのは筋肉ですが、どうやってその筋肉を付けるかと言ったら負荷をかけるしかありません。
しかし、それでもちゃんと負荷はかけて行います。
ではラダートレーニングはどうでしょうか?
ウェイト無しのダッシュやスクワットのほうが負荷という点で考えたら上のはずです。
つまり筋力を目的にラダーをするなら反復横跳びでもしてたほうがマシということです。
(※ラダーにも色々バリエーションがあり、その中には筋力アップ、瞬発力アップに繋がる動きもありますので後でご紹介します。)
ただ、よく見るちょこまかした動きのラダートレーニングでは筋力アップは見込めないということです。
じゃぁラダーの効果って何?
じゃあなぜラダーをするのかと言えば「ウォーミングアップアップの為」と「敏捷性」を高めるのが主な効果です。
まず「敏捷性」についてですが、これは「脚の速さ」という意味ではなく、足運びをするときの細かい動きや方向転換などの「器用さ」みたいな意味です。
指先の器用な人・不器用な人が居るように、体を動かすのも結局は「神経」なので、ラダートレーニングで様々な足運びを素早くやる練習をすれば俊敏な動きが鍛えられます。
(私が最近趣味で始めたロードバイクの、めちゃくちゃ規則的な円運動のペダリングですら意のままに動かすことは難しいので、この神経系の重要性みたいなものをちょうど痛感しているところでございます。)
(動画08:02~)
↑の動画で武井荘さんも仰っている通り、自分の体を思った通りに動かすのは非常に難しいということです。
その点ラダートレーニングは細かい動きを素早くするので、器用さを高めるのに非常に効果的なトレーニングと言えます。
ラダートレーニングをよく行う陸上部やサッカー部、バスケ部などと比べてその恩恵が比較的少ないので役に立たないと言ってしまいましたが、まったく無いわけではないのでお許しください。
内野手の方は捕球する際の入り方・バウンドを合わせる時・スローイングに移行する際など小股で敏捷性が求められる動きが多いので、特に効果的なトレーニング方法ですね。
外野手でも自分より後ろの打球で背中を向けてダッシュしたりする時に意外と器用な動きが必要になってくることもあります。
こういった状況で足運びが上手だと結果的に「速く」なるという意味ですので、それをしっかりと理解した上で実際の動きを意識しつつラダーをすれば野球においても十分意味のある練習です。
そしてもう一つの効果「ウォーミングアップアップの為」について。
これは言わずもがなですが、ラダーは非常に負荷の低い運動ですが動きは激しく、すぐに体が温まってくれるので非常に優秀なアップと言えます。
色んな間接を低負荷で動かしますのでケガ防止という点で見ても最適なウォーミングアップです。
長時間ランニングするよりも、短時間で安全に動けるようになるので朝練や時間的に余裕がない時は、代わりにラダーにしちゃってもokなくらいです。
必要な道具
普通にラダートレーニング用のラダーを買うのが一番ですが、なくても問題ありません。
屋外なら棒で地面に描くなり、屋内や体育館ならテープを貼るだけでもラダートレーニングは出来ます。
(屋外で大人数でやる場合は線を書いてもすぐ見えなくなっちゃうので、やはりラダーを使うのがおすすめです。)
ウォーミングアップとしてやる場合はそこまで正確に脚を動かさなくても良いので、そのままグラウンドでラダーと同じような動きをするだけでもokです。
ラダートレーニングの方法・メニュー5選
前置きが長くなってしまいましたが実際のトレーニング方法を5つご紹介したいと思います。
1.普通のやつ
一番オーソドックスなやつ。
脚の回転を意識しながら1歩ずつ踏み出していきます。
陸上の短距離走などイメージしてもらうと分かりやすいですが、スタート直後でスピードが出始めるあたりの加速が上手くなります。
盗塁や守備(前進)などの動きで効果的
ウォーミングアップにも◎
2.ねじるやつ
これも割とオーソドックスなやつですね。
脚を前後入れ替えながら進んでいきます。
素早くやれば切り返しの動きが上手くなりますし、ラダー無しで歩幅を更に広くして動きを大きくすれば腰回りの柔軟も兼ねたウォーミングアップになります。
というかほとんどのチームがこの動きをアップとして取り入れてると思います。
3.内野手向け
枠の中に両足を入れたら枠外に1歩踏み出して、また両足入れて一歩出すを交互にやります。
内野手がゴロをチャージする時の動きに似ているので勝手に内野手向けって書きましたがオールマイティな動きだと思います。
アレンジを加えるとしたら、踏み外す時にもう少し離れた位置に足をついて腰を落とす感じにするとゴロ捕球のトレーニングにもなりそうです。
4.外野手向け
片方の足を1歩ずつ進め、もう片方は前後交互に枠外で1歩踏み出します。
動きが自分より後方に飛んだ外野フライの時に似てたので勝手に外野手向けって書きましたが(以下略
盗塁の時の切り返しや、キャッチャーゴロの処理でも効果的な動きですね。
5.筋力アップしそうなやつ
ラダートレーニングの中だとかなりのパワー系種目です。
片方の足を一歩ずつ進めながら、もう片方の足は膝蹴りするように上下に動かします。
全体重が片足にかかってるので負荷も乗りますし、もはや筋トレと言ってもいいのでは??
ももを上げて走る練習にもなりますし、これは筋力増大的な意味でも走力アップにかなり有効だと思います。
片足でバランスを取るので体幹にもめちゃくちゃ効きます。
小学生には特にオススメ
体を動かす神経というのは、小学生までにほとんど成長しきると言われています。
子供のうちにどれだけ体を使って遊んだか?運動していたか?が非常に重要になってくるので、なるべく小さいうちから練習しておくのがオススメです。
ラダートレーニングは負荷が低いということもあって、まだ体の出来ていない小学生にうってつけのトレーニングですね。
まだ難しくて出来ないくらいの年齢なら、けんけんぱでも似たような練習になるでしょう(笑)
まとめ
以上、ラダートレーニングについてでした。
まとめると、
・ラダートレーニングは筋力アップこそしないものの、器用さ・俊敏性が上がり、結果的に動きが素早くなる
・負荷が低いのでウォーミングアップに最適
という効果があるトレーニングです。
メニューの種類は今回5個だけ紹介しましたが、他にも大量にバリエーションがあるので是非調べてみて下さい!
やり方に決まりがある訳でも無いので、自分で開発してみるのも楽しそうですね。