「バッティングの基本はセンター返し」
これは野球をやっていれば誰しもそう言われて育ってきたはずです。
しかしなぜセンター返しが良いのかについてはあまり語られることが無いので、そのメリットや、打ち方のコツなどを紹介したいと思います!
センター返しのメリットとは?
まずはなぜセンター返しをするのか?
そのメリットと意味を解説していきます。
センター方向への打球が一番遠くに飛ぶ
センター返しをする理由の一つ目は打球を一番遠くに飛ばすことができるから。
一番力が入り易い軌道でバットを出した時に、ボールに力が一番伝わるのが直角である90度なので、センターへの打球は勢いのある打球になります。
これは野球場のかたちを見て貰えれば良く分かりますが、ホームベースからまっすぐセンター方向への距離はだいたい120m前後。
両端までの距離は100m前後になっています。
その差なんと20mもあります。
それだけセンター方向への打球はよく飛ぶという何よりの証拠ですね。
綺麗なバックスピンがかかる
さっきほどの飛距離の話とかぶりますが、センター方向への打球は綺麗なバックスピンがかかるので遠くに飛びやすいです。
左バッターの打球がレフト方向のファウルゾーンに切れていくシーンをイメージしてもらうと、ボールの回転による推進力は思っている以上にパワーがあることが分かると思います。
センターに打球が飛ぶということはタイミング良く真っすぐボールを捉えているはずなので、球の回転は1.ドライブ(落ちる回転)、2.バックスピン(伸びる回転)のどちらかになることが多いです。
なので真っすぐ打ち返すようなイメージで打つセンター返しは、その点でも飛距離が出やすいと言えるでしょう。
以上、センター返しのメリットをまとめると「長打になりやすいから」ということです。
しかし、センター返しを狙ってたとしても実際にはその通りにいかない事がほとんどだとは思いますが、強い打球が打てることに変わりはないので多少タイミングがずれたとしても右中間や左中間に飛んで長打コースが狙えますね。
むしろセンターの守備位置に飛べば普通にアウトなのであくまでも”強い打球“で”センター方向“を狙うというのがこの「センター返し」の本当の意味と言えるでしょう。
イメージ的にはダーツの20点エリアと18点エリアに入れるために1点のエリア狙うという感じです(笑)
内野の打球もピッチャーさえ抜けばほぼほぼヒットになるので、やはりセンター方向へ打つという意識は間違いではなかったということです!
センター返しのコツ
センター返しのメリットと意味が分かったところで、実際に打つにはどうしたらいいのか?についてご紹介します。
タイミングを合わせる
そもそもタイミングさえ合えば真ん中のボールを自然に打って飛んでいくのはセンター方向になります。
ちょっとティーバッティングをしてる時を思い浮かべてもらいたいのですが、打った球はどの方向へ飛んでいくでしょうか?
おそらく真正面に飛んでいくと思います。トスバッティングでもそうですよね。
監督がノックをしている姿を見ても分かりますが、ノックしたい方向に体を向けて打っているのがわかると思います。
これらの置きティー、トス、ノックなどから分かるのは、完璧にタイミングが合わせられれば自然にセンター返しが出来るということ。
もう既に体が覚えているものだと私は考えています。
もしティーバッティング、トスバッティングですら真っすぐ飛ばないという方は、タイミング以前の話なのでまずは一番力の入るミートポイントで前に飛ばす練習をしましょう。
相手が居ればトスバッティングが手軽ですが、一人で練習する時は置きティーを使うと良いです。
しかしタイミングを合わせると一口に言っても、実際にこれをやるのはかな~り難しいことです。
なぜならピッチャーもタイミングをずらす為にあの手この手を使ってくるわけですからね。
スピードの速いストレートが来たかと思えば、同じような軌道のチェンジアップでずらされ、テンポ良く投球してきたかと思えば急に10秒くらい間を空けてきたり。。
中には普段オーバースローなのに勝負どころで急にサイドスローにするようなピッチャーもいます。
そこはもうピッチャーとのかけひきなので経験を積むしかないかと思いますが、まだ野球経験が浅い方向けにタイミングを合わせるコツがあるとすれば、「軸足を鍛える」という点ですね。
バッティングフォームは数多くありますが、球を打つ直前には軸足に体重を8~10割乗せて、ピッチャーの投球を見るタイミングがあります。(王さんの一本足打法を見るとそのタイミングが非常に分かりやすい)
その軸足に体重が乗った状態から「投球のスピード」や「コース」などを見て「ステップ」して「体重移動して打つ」ということですので、土台となる軸足がしっかりしていないと、思っていたタイミングとずれたと頭で分かっていても体勢を保てなくなり、ステップの足を早めに出してしまって結果として体が流れたり体重移動の力が上手く伝えられず弱々しい打球になってしまうなど、多くのデメリットがあります。
なので軸足の強さというのはタイミングを合わせる時にとても大切になってきます。
まぁ軸足を鍛えるといっても片側だけ鍛えてもバランスが悪くなってしまうので基礎的な脚を鍛えるトレーニングをすると良いでしょう。
ペッパーでバットコントロール力を高める
タイミングがばっちり合っていても毎回バラバラのところに飛んでしまうという方は、思った場所にバットが出せていない可能性があります。
そこでみなさん一度はやった事あると思いますがバットコントロールを高める基本的な練習方法が「ペッパー」です。
やり方はまず二人一組になります。
数メートルほど距離をとってバッターに向かって玉を投げてもらい、それを真っすぐ打ち返すという練習です。
簡単そうに見えますが、投げてもらうボールも毎回ど真ん中に来るわけじゃないのでかなり難しいです。
打ち方にもよりますが、上手に出来る選手と出来ない選手がいます。
相手が居ないと出来ない練習ですが、これをやるとバットコントロールが上達し、センター返しで強い打球が打てるエリアも広がるでしょう。
まとめ
以上、センター返しメリットとコツについてでした。
まとめると、センター返しのメリットは一番飛距離が出やすいのが真正面のセンター方向だから。
そのセンター返しをするコツは、1.タイミングを合わせる為に軸足を鍛える 2.バットコントロールを高める
です。
強い打球が打てるように頑張って練習しましょう!