ライトって聞くとどんな印象がありますか?
恐らく初心者や野球をやったことが無いかたは「簡単」「ショボい」「下手くそが守るポジション」というイメージを持っているかも知れません。
『ライパチ』という言葉がある通り、8番ライトは下手くその代名詞になっていまが、
『じゃぁなんでイチローはライトなの?』
と疑問に思った方もいると思います。
ライトとはどんなポジションなのでしょうか?今回は
・ライトの重要性
・ライトの動き方
・ライトが上達するコツ
の大きく3つに分けて紹介します。
ライトに求められること・ライトの重要性
草野球、少年野球では守備の下手な選手やはじめたばかりの初心者がライトを守ることが多いですよね。
しかし高校野球、大学野球、プロ野球とレベルが上がるにつれてむしろレフトに守備の下手な選手を置いていることが多いです。
野球をやったことがない人は「なんであんなに上手な選手がライトなんだろう?」と思ってしまいますが、実は結構重要なポジションなのです。
ライトが求められる役割と重要性をレフトと比較する形で簡単に解説していきます。
その1.ライトとレフトの重要度がレベルによって逆転する理由
左打者の割合が増えてくる
学童野球・少年野球では圧倒的に右打ちが多いですがレベルが上がるにつれて左打ちも多くなり、左利きのバッターが引っ張った時に強い打球が飛んでくるので必然的にライトの重要度が上がっていきます。
流し打ちが出来る選手が増えてくる
もう一つの理由は、バッターのレベルが上がると上手に流し打ちが出来る選手が増えてくるからです。
意図的にライト方向に撃ってくる選手も出てくるのでライトの守備機会が増えていきますね。(ランナーが3塁に進塁するときにレフト方向よりもライト方向へ打った方が有利)
その2.ライトに一番求められるのは肩の強さ
3塁ベースまでの距離が遠いというのもレフトより強肩が求められる理由になっています!
よくあるシチュエーションで、
ランナーが1塁の時にライト方向に打球が飛んできた時。
レフト方向ならよほどの事がなければ3塁までいけませんが、ライト方向ならかなりチャンスがありますよね。
ちなみにランナーが2塁の時と3塁の時では得点確率がなんと20%も上がるそうです。
ノーアウト二塁(60%)→ノーアウト三塁(80%)
ワンナウト二塁(40%)→ワンナウト三塁(60%)
これで3塁への進塁を阻止する重要性も伝わるのではないでしょうか?
また、バックホームの時も中継に入るサードとショートがセカンドファーストと比べて強肩の選手がやっていることが多いので間接的にライトと比べてレフトの肩の重要性が落ちる理由でもあります。
などなどにより、レフトよりもライトの肩が重視されるのは当然と言えます。
その3.ライトには守備の上手さも求められる
ライト方向に飛んでくる球は打ち損じた打球や流し打ちで変な回転がかかっていることが多いです。
そうするとバウンドした時にイレギュラーしてしまったり捕りにくかったりするので、その対応力が必要になります。
ランナーが一塁にいた場合はライトがちょっともたついただけで進塁されるのでそういった面でも守備力は重要ですね。
あとさっきライトに一番求められるのは肩の強さと言いましたが実は嘘です(笑)
本当に求められているのはいかに速く3塁やホームベースにボールを返せるか。なんです。
いくら肩が良くてもボールを投げるまでが遅ければ結局時間は変わりませんよね?
うまく次の送球動作につなげるという意味での守備力も必要になってきます。
(捕球姿勢のコツなどは下のほうで紹介します。)
その4.ライトに有利なのは右投げ?左投げ?
結論から言うとどっちでもあまり変わりません。
外野は回り込みながら捕れるので内野手ほど利き手での適正がありません。
まぁ厳密にはライン際、ファールゾーンの球をギリギリで捕った時に左投げだとその後投げるのが楽ではあります。
でも一番重視するのはやっぱり肩の強さという感じですね。
ライトの動き方
ここからはライトの動き方を紹介していきます。内野手と比べるとやること自体は分かり易いです。
ライトの守備位置
守備する場所はファーストとセカンドの後ろです。
具体的な立ち位置は臨機応変にかえていきましょう。
・バッターが左打ちなら後退 少しセンター側に寄る
・バッターが強打者と分かっている場合は後退
・バッターの体格を見て微調整
・引っ張るバッティングなのか、流すバッティングなのかをファウルの時に見て微調整
・ランナー2塁の時は前進
ライトのカバーリング
ライトはカバーリングする場面がいっぱいあるのでかなりキツいです!
・ショート、サードゴロの時はファーストの後ろにカバー
・ショート、サードゴロのゲッツーの時は2塁の後ろにカバー
・1塁けん制の時もファーストの後ろにカバー
・センターフライの時はセンターの後ろにカバー
内野にゴロが飛んだら全てのパターンでライトもカバーに入るので大変ですね。
けん制のときは球場のかたちにもよりますが、一応カバーしにいきましょう。
ライトフライの時
ファースト、セカンドとライトの間に落ちるフライは基本的にライトが捕りましょう。
ボールとの距離が同じだとしても後ろにさがりながら捕るのと、前に出ながら捕るのでは前に出ながらのほうが全然楽なので。
その際ファースト、セカンドはボールしか見えていませんのでぶつからないように声掛けをしましょう!
「オーライ、オーライ!」と大きな声を出しながら迫っていけばファーストセカンドはビビッてどいてくれます。
ライトの守備が上達するコツ・意識すること
ここからはライトの守備が上達するコツや意識することなどを紹介します。
上のほうでも言いましたがライトは進塁を防ぐという意味で大きな役割を担っています。
そのためいかに早く3塁やホームにボールを返球できるかが重要です。
遠投をして肩を強くする
やはり肩を強くするには遠投が一番です。
筋力もつきますし実際のバックホーム、バックサードと同じ軌道で投げれば上手に体を使うコツも掴めてきます。
ここで注意してほしいポイントは高く投げすぎないことです。
一番”遠く”に投げたいときは45度の角度が最適ですが実戦でそんな投げ方はしませんよね?
強く低い球を意識して遠投練習をしましょう。
バックホームする時は右足から?左足から?
バックホーム・バックサードする時のステップが上手に出来るようになればライトの上達にもなります!
ステップの種類は現実的な所でいくと、
1.(左→右→左)(最後の右→左は投球動作)
2.(右→左→右→左)
3.(左→右→左→右→左)
の3つくらいです。
私がオススメしているのは(右→左→右→左)のステップですが、ゴロの場合は『右足を出しながら』、フライの場合は『捕球と同時に右足を付く』の違いがある。
という感じです。
詳しく知りたい方はこちら:【右足前vs左足前】バックホームのステップを比較してみた【外野守備】
ゴロのチャージは全力で
チャージとは『ボールの捕球姿勢に入るまでの距離の詰め方』、簡単に言うと『打球へのダッシュ』のことですが、先日引退された岡田幸文選手(ゴールデングラブ賞2回受賞)はブログでこのようなことを仰っています。
外野に飛んでくるゴロへのチャージということは、シチュエーションとしてはランナーの進塁を阻止したい時だと思います。
そのための基本的な動作で言えば、
①全力でチャージして
②正確に捕って
③素早く投げるこの3つです。
しかし、この3つを全て全力でやろうとするとどうしてもミスをしてしまいます
この3つの動作の急ぎ具合のイメージは
①全力でチャージ:10割
②正確に捕る:7割
③素早く投げる:8割
だそうです。
すべての動作を全力でやっていた人、結構多いんじゃないでしょうか?(自分もその一人)
特に③の素早く投げる動作については『急ぎすぎるとボールが上手く握れず、暴投する可能性もある』と言ってますがまさにその通りだなぁと思います。
全力でチャージすることでその後の動作を落ち着いて行えるということでもあるので、この急ぎ具合の割合は覚えておいて損はないでしょう!
まとめ
以上、ライトについて色々とお話してきました。
ライト上達のコツは外野手全てに当てはまることですね。
他の外野を守ることになっても生きてくると思うので、是非日ごろの守備練習から意識してみてください!
P.S.最近ライトをやらされるようになった方へ
ライトがしょぼいポジションだと思っていると降格されたように感じてしまうかもしれませんが、この記事を読んで改心してくれると嬉しいです。
腐らずに練習を重ねて、イチローのようなライトを目指していきましょう!